九州オルガン針において創業より製造を続けているミシン針の種類では大きく分けて、家庭用ミシン針・工業用ミシン針があり、その家庭用と工業用では多くの違いがあります。
まず、製造種別・番手において家庭用では 10 種類 30 番手程度であるのに対し、工業用では約 2000 種類、4000番手あり、先端形状・表面処理を含めるとその数倍以上になります。 ミシン針の種別は、ミシンのメーカー・機種によって殆どの場合指定されており、針の番手は生地の厚さや重ね枚数、使用する糸の太さによって適当な番手を選びます。 また、素材や様々な条件を考慮して、先端形状や表面処理を選択する事もあります。
次に、ミシン針の形状においても工業用は曲がった針、ひねった針、両頭針、特殊平取針など千差万別です。家庭用の形状においてはミシンへの取付けが容易になるよう全ての針の軸部分が蒲鉾のような形状になっています。これを平取り加工といい、工業用ミシン針では特殊改造針を除き、この平取加工を施していません。 家庭用ミシン針に比べ工業用は使用されるミシン自体の回転数も大きく、強度が求められる事から、耐摩耗性・耐熱性を高め強度アップの為に形状を変更したり、めっき方法を変更したりと様々な対策を講じています。 家庭用は平成26年に ORGAN NEEDLE (VIETNAM) CO.,LTD.へ移管しており、現在は九州オルガン針では工業用ミシン針の製造を行っております。
~大切な生地とのふれあいは、よりスムーズに~ 針の表面は大切な生地とふれあうという、重要な役割を担うところ。どんな縫製条件にも対応できるように、さまざまな表面処理を施しています。
例えば・・・ ●レギュラー針:針焼けや摩耗を防ぎ、非粘着性を高めるために、硬質クロムめっきを全種別、全番手に施しています。 ●チタンコーティング針:切削工具などで使われている技術を、世界で初めてミシン針に取り入れました。耐久性があり、過酷な縫製条件でも効果を発揮します。
~どんな糸でもスルリとくぐり抜ける~ 縫製中、縫い糸は針の糸穴を素早く往復し、その都度しごかれます。良い穴の条件は、この縫い糸を常に安定させ、なめらかに滑らせていくこと。そのため、縫い糸へのダメージを抑えるように研磨を行います。
~強さと太さの絶妙なバランス~ 針は、太くすれば強度が増しますが、あまり太くしすぎると地糸切れを起こしてしまいます。生地へのダメージを抑えながら針を強くする工夫として、幹部を次第に太くしたロングテーパー形状や、地糸切れを防ぐ1段形状など、いずれも用途に合った強い針を実現しました。
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